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細胞性免疫

敵かどうかの見分けがつきにくい異物、自分の体内で作られた変異細胞やがん細胞、自分の細胞の中に入り込んだ結核菌やリステリア菌などの細菌やウィルスは、判別が難しいため、あるいは構造が丈夫なため、液性免疫の抗体では処理できず、見分けられるように教育され活性化されたマクロファージやキラーT細胞が敵を殺します。この免疫の仕組みを細胞性免疫といいます。クロレラエキスは細胞性免疫力を高めて敵と戦うことがわかっています。その中でも、ウィルス感染に対するクロレラエキスの働き、細菌感染に対するクロレラエキスの働き、そして抗腫瘍に関するクロレラエキスの働きについてご紹介していきます。

  • ウィルス感染
  • 細菌感染
  • 抗腫瘍
  • 日和見感染(免疫低下時の感染)
日和見感染に対するクロレラエキスの効果

健康な状態では何も脅威にならない弱い病原体が、免疫力の低下した人の体に侵入すると、その病原体を増殖・活性化させてしまいます。これを日和見感染といいます。そしてときには、死に至るほど重症化することもあるのです。

敗血症や脳膜炎を引き起こすリステリア菌は、特に白血病などにより免疫機能が低下した人に日和見感染するケースが多く、致死率も高いといわれています。

そこで白血病ウィルスに感染させ免疫不全状態にした後天性免疫不全マウス(メイズマウスと言う。ヒトエイズのモデルとして使われる。)に、クロレラエキスを経口投与した上でリステリア菌に感染させて、生体防御感染の働きを検討しました。

メイズマウスはヒトエイズのような免疫不全状態の人の治療法を見出すために作りだされたモデルマウスです。このような免疫不全状態のマウスに対してクロレラエキスがどのような効果を示すのかを明らかにするためにこの研究は行なわれました。

研究報告-日和見感染(免疫低下時の感染)
クロレラエキスは免疫不全モデル動物の感染防御能を高めました

クロレラエキス経口投与による白血病ウィルスLP-BM5(メイズウィルス)感染マウス(ヒトエイズモデルマウス)におけるリステリア菌に対する日和見感染防御効果
International Journal of Immunopharmacology17(6), 505-512 (1995)

後天性免疫不全マウス(メイズマウス)におけるリステリア菌感染後のサイトカイン発現パターンに及ぼすクロレラエキスの影響
ImmunopharmacologyVol.35, 273-282, 1997)

【投与条件】
白血病ウィルスを感染させ、免疫機能が極端に低下した後天性免疫不全のマウスを2群に分け、1群にクロレラエキスを2週間経口投与した後、リステリア菌を感染させ、6、10日後に腹腔の細胞を採取して、リステリア生菌数を観察しました。また6日後に脾臓細胞の遺伝子を解析しました。

免疫不全モデルマウスへのクロレラエキスの投与によりリステリア菌の増殖が抑制

白血病ウィルスによって免疫による抵抗力を失い、リステリア菌に対する感染防御が損なわれた後天性免疫不全のマウス(メイズマウス)がクロレラエキスを摂取することによって、リステリア菌の排除が容易になることがわかりました(図1)。

さらにそのメカニズムはT細胞の機能を高め、がん細胞も破壊するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を誘導することによって、リステリア菌に対して特異的な細胞性免疫を増強させることを明らかにしました。

クロレラエキス投与によって、ヒトエイズ感染モデルマウスの細胞性免疫を高める作用が確認されました

敵が体に侵入すると、これに対抗できるT細胞などの特殊な白血球を増やし、敵と戦う態勢を整えるのが細胞性免疫の仕組みです。そしてこの免疫ができるまで1週間ほどの時間がかかります。

クロレラエキスを投与されたメイズマウスではリステリア菌感染後、体を防衛するヘルパー型T細胞、キラーT細胞の数が増加することからもクロレラエキスがリステリア感染マウスの細胞性免疫を増強していることが明らかとなりました。これによって細胞性免疫の低下による日和見感染に対してもクロレラエキスが有効な可能性が示されました。

血液細胞の処理・生産工場の脾臓でも分泌されるサイトカインが増強

たくさんの血液が流れ込む脾臓は、白血球の仲間であるリンパ球を作る免疫に関わる組織でもあります。
リステリア感染マウスにクロレラエキスを飲ませるとインターロイキン-12とγインターフェロンが増強されますが、メイズマウスにクロレラエキスを飲ませても同様の傾向がありましたが、とくにインターロイキン-12の増強が認められました(図2)。

エイズのような白血病ウィルスに感染した場合以外にも、他のさまざまながんに侵されても免疫力が低下して日和見感染がおこることが知られています。またがん細胞の治療にX線照射や抗がん剤を投与する場合にも免疫力が低下することも知られています。
このような場合を想定した動物にX線照射や抗がん剤(CY)を投与する研究でも、クロレラエキスが免疫力を回復させることを明らかにしています。