トップ > チクゴ株クロレラの効果 > 生体防御賦活効果 > 初期防衛(自然免疫)
初期防衛(自然免疫)

背骨のある動物だけに存在するリンパ球を主体とした免疫力とは異なり、自然免疫はすべての動物が生まれながらに持っている体の抵抗力です。これによって比較的簡単に見つけられる敵や不必要な異物、老廃物、不要な成分を処理し、体内をきれいに保つことができます。
ただし敵が強敵であったり、数が多すぎて処理しきれなくなると、「獲得免疫」の助けを借りなければいけません。

チクゴ株クロレラはこの基本的な抵抗力である自然免疫を高めることを、動物実験によって明らかにしました。

初期防御系と免疫系の違い
クロレラエキスの大腸菌に対する防御効果

大腸菌は人や家畜の腸内に存在し、そのほとんどは無害で、腸管から体内にわずかな大腸菌が侵入しても、初期防御系の好中球やマクロファージに食べられて病気になることはありません。しかしまれに人の大腸の中に入ると、下痢や腹痛などの消化器症状を起こすものもあります。これがO157などに代表される「腸管出血性大腸菌」です。有害物質を作りだして腸内の食べ物を腐敗させるなど、悪玉菌の代名詞のような存在の腸内細菌です。このような初期防御を調べる上で最も代表的な大腸菌に対して、クロレラエキスが感染防御効果を示すかどうかを検討しました。

研究報告-初期防衛
クロレラエキスが大腸菌に対する抵抗力を高めました

クロレラエキスによる大腸菌感染抵抗性増強作用
Infection and Immunity 53: 267-271(1986)
クロレラエキスの経口投与によるラットの大腸菌感染抵抗性の増強
International Journal of Immunopharmacology 11 (8): 971-976 (1989)

【投与条件-1】
カゼイン(牛乳などに含まれるたんぱく質)をマウス腹腔内に投与し、3.5時間後に集まった好中球の機能を見る実験で、カゼイン投与の前日にクロレラエキス(50mg/kg)を1回投与して影響を調べました。

クロレラエキスは感染を防ぐ強い働きを持つ好中球の殺菌能力を高めました

白血球の中の60%を占める好中球は、つねに侵入してくるウィルスや細菌などを見張り、食べる働きをします。大腸菌の感染を防ぐためには、この好中球を多く生産し、その能力を活発にしておく必要があります。

クロレラエキスを与えた場合と与えなかった場合で、腹腔内にいる血球中の好中球の、殺菌作用を持つ活性酸素(スーパーオキシド)をつくりだす力の違いを調べました。その結果、殺菌作用のある活性酸素をつくりだす力の比較では、クロレラエキスを投与した場合は、投与しなかった場合に比べて、1.7倍も高いことが分かりました。この検証によって、クロレラエキスが好中球の殺菌能力を向上させていることを明らかにしました(図1)。

【投与条件-2】
大腸菌(680万個または2700万個)をマウス腹腔内に感染させる実験で、クロレラエキス(50mg/kg)を感染の前日に1回投与して対照群との間に違いが出るか実験しました。

クロレラエキスを大腸菌感染前に投与しておくと、生存率が向上

クロレラエキスを投与していない場合は、低濃度の大腸菌感染グループで4割、高濃度感染グループではわずかに1割しか生き残りませんでした(表1)。

一方、前日にクロレラエキスを投与した場合には大腸菌の低濃度感染グループはもちろん、致死量を投与した高濃度感染グループにおいても、ほとんどのマウスが生存していました。この実験から、事前にクロレラエキスを投与しておくと、致死量の大腸菌を感染させた場合でも、大腸菌に対する抵抗力が高まり、マウスの生存率が大幅に向上することがわかりました。

【投与条件-3】
クロレラエキスを14日間食べさせたラットと食べさせなかったラットに対して大腸菌を感染させ、強い殺菌作用のある好中球を誘導する能力とその殺菌効果を調べました。

クロレラエキスは、食べさせることでも好中球の集合を促進し、大腸菌排除効果を高めました

クロレラエキスを14日間食べさせたラットと食べさせなかったラットに対して大腸菌を感染させ、強い殺菌作用のある好中球を誘導する能力を調べました。感染前の好中球含有量は、両者に差がありませんでした。しかし感染後6時間を経過すると、クロレラエキスを食べさせたラットは食べさせなかったラットに比べ、感染部位への好中球の集合数が5倍に増加しました。

動物に大腸菌を感染させても、クロレラエキスを食べることによって、感染した腹腔に好中球を効率よく誘導し集合させることが検証されました(図2)。また、その時のおなかの中(腹腔)の生きている大腸菌の数はクロレラエキスを食べたラットでは対照ラットの100分の1に減少していました(図3)。

その他にも初期防御にかかわるナチュラルキラー細胞(NK)活性を増強する効果があることも検証しています。
このように様々な実験研究によって、クロレラエキスが身体の中で有益に働くことが報告されています。