健康情報サイト チクゴ株クロレラ研究所

朝日新聞記事本文(昭和48年5月10日)
北九州市民公害研究所 油症にクロレラ有効 30人、体調も正常へ

カネミ油症の治療はこれまで効果的な方法がなく、現在も多くの患者がさまざまな症状に苦しんでいるが、北九州市戸畑区、北九州市民公害研究所(所長・梅田玄勝医師)は、患者にクロレラを投与する治療法で大きな効果をあげている。梅田所長は「これまでのホルモンなど特効的な治療に頼るよりも、健康管理を徹底するなかでクロレラを与え、人体の自然治ゆ力を強め、中毒症状をなくしていく治療法の効果が実証された」といっており、さらに動物実験を重ねた上で研究結果を学会に発表することにしている。

体の新陳代謝を促進する働きを持つクロレラを毎日通常の二倍から三倍投与する治療法をつづけた。さらに正常分娩(ぶんべん)の時に採取した胎盤からつくった冷蔵胎盤を注射し、抵抗力をつける方法も併用している。
患者一人一人に対し定期的にクロレラを与え、そのたびに「前と比べて症状はどうか」をチェックした。ことし四月までの結果は、「悪くなった」という患者はゼロ。ほとんどの患者が「つかれが少なくなる」「胃腸の調子がよくなった」「つうじがよい」「下痢をしなくなった」など体調が正常に戻りつつあることを認めている。
カネミ油症はこれまでの研究でPCBによる脂質代謝など肝臓機能障害が原因の一つになっているのはほぼ確かめられており、クロレラ大量投与はその障害をとり除くことで中毒症状を少なくしていく効果があることがわかった。
この点について、久留米大学医学部臨床病理研究所の協力で、動物実験をしながら医学的な面からさらに確認中で、今後動物にPCBやクロレラを与えて、身体の全組織の新陳代謝の変化を調べ、治療法を検討すれば十分期待できる、という。
カネミ油症患者は、西日本各地でこれまでに認定されているだけで千人以上おり、内臓障害などさまざまな症状に苦しんでいる。PCB中毒という原因はつきとめられたが、治療法はこれといった方法は見つからず、これまで九大でたんぱく同化ホルモンやビタミンを与えるなどいくつかの方法がとられていただけ。だが、ホルモン療法は女性にひげがはえたり、声がだみ声になるなど副作用が強いうえ、実験の効果もあまりなく、患者からはっきりした治療法を望む声がでていた。

梅田所長の話 PCBは人工の物質で、中毒症状に対する特効薬をみつけるのはいまのところ困難だが、この方法でPCBによる肝臓障害の解明ができそうだ。人体の自然治ゆ力を強めて治療するという医学的対策が確立できると思う。

注:クロレラ 単細胞の緑藻(りょくそう)の一種。一昼夜で六、七倍になる繁殖力で、葉緑体をもつ。空気中の酸素をとり入れ、たんぱく質をつくる力があるので培養して利用する研究が行われている。

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